皮膚科小辞典

にきび(尋常性ざ瘡)

にきびは、毛のう(毛穴)におこる炎症です。その原因は、皮脂(皮膚の油)の過剰と、その部位におこる細菌(ばい菌)感染です。思春期(10才代から20才代初期)には、ホルモンの影響で皮脂の分泌が盛んになり、また食生活も関係してにきびができやすい状態になります。毎日朝夕の石けん(洗顔料)を用いた洗顔が大切です。人間には、生きていく上で動物性にしろ植物性にしろ油が必要です。しかし必要以上の油の摂取は皮脂の過剰を招き、にきびをひどくしますので気をつけましょう。

いぼ(尋常性疣贅=じんじょうせいゆうぜい)

いぼ(疣贅)は、ヒトいぼビールスによっておこる皮膚のできものです。症状としては、皮膚が部分的に硬くなったり、ざらざらに盛り上がってきたりします。おもに手のひら特に指の部分や、足の裏に出来ます。「うおのめ」や「たこ」と区別が付きにくいこともあります。治療の方法は何種類かあります。

やけど(熱傷、火傷)

やけどは受傷直後に冷やすことが大切です。その次に大切なことはやけどの深さを見極めてそれに合った外用剤を(場合によっては内服も)使うことです。狭い範囲のやけどでも放っておかないで、皮膚科できちんとした治療をすれば瘢も目立ちにくく治ります。逆に小さいやけどでも深さによってはケロイド(皮膚が盛り上がったようになる状態)になったりして目立つ瘢が残る場合があります。

単純ヘルペス(いわゆるヘルペス)

単純疱疹とは別名ヘルペスまたは単純ヘルペスといって、顔の口唇周囲や陰部にぴりぴりした痛みがある小さな水膨れや赤いぶつぶつができる病気です。風邪をひいたりして熱が出たときなどに出現することがあるので「熱の花」と呼ばれることもあります。この病気は、まだ感染したことがない小さなお子さま(乳幼児)に感染しますとヘルペス性歯肉口内炎という口の中がただれて物が食べられなくなったりする病気や、まれに脳髄膜炎を起こすことがあります

床ずれ(褥瘡=じょくそう)

寝たきりの方などの、腰やおしりや肩や背中の皮膚が赤くなったり黒くなったりすることがあります。場合によっては局所的に皮膚に穴があいて脂肪や筋肉が見えるようになることがあります。早めに治療すれば完治することができますが、適切な治療が行われない場合にはばい菌が入ったりして命に関わることもしばしばあります。

膠原病(自己免疫疾患)

SLE(全身性エリテマトーデス)や強皮症、ベーチェット病などのいわゆる難病に指定されている病気のほとんどは皮膚に何らかの症状が出てきます。また多形紅斑や蕁麻疹様の皮疹が初発症状として出てくる場合もあります。これらの理由で膠原病は皮膚科で初期診断がつく場合がよくあります。

蕁麻疹(じんましん)

蕁麻疹は様々な原因で起こります。内臓から来ているかもしれないからとまず内科にかかる患者様を見かけますが、まず皮膚科できちんとした診断をすることをお勧めします。というのは蕁麻疹によく似ていても、原因も治療法も異なる病気がいくつもありますので。内臓疾患が疑われれば、皮膚科から内科などの専門の科にご紹介します。

ウィルス(ビールス)性の病気

みずぼうそうや、はしか、手足口病などでは、発熱などと共に皮膚に何らかの皮疹(ぶつぶつ)が出てきます。皮膚科では小児、成人を問わずまず何の病気なのかをできるだけ早く診断するように心がけています。

細菌による病気

ばい菌によって、皮膚の下に膿(うみ)がたまったり、足や顔などが全体的に腫れたりしたときにも、皮膚科では膿を出したり、中を洗ったりといった治療と、抗生物質の飲み薬を使って治療を行います。

 

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